心のしくみを見てみよう ~心理セラピー講座を受けてみました~
2020年2月18日
「ストレスのない人、手を上げて~(^o^)/」
これでスッと手を上げられる方は、なかなかいないのでは?
イライラや不安、焦りや落ち込み…いろいろな感情が押し寄せる私たちの生活にとって、
ストレスは切っても切り離せないものですね。
それならば、そのストレスをじっくり観察して、心が楽になる糸口を見つけてみたくはありませんか?
今回クワイエでは、心理セラピスト・秡川(はらいかわ)たえさんをお招きして、
「心のしくみと自分でできるストレスケア」という内容で、グループワークを行いました。
■秡川たえさん プロフィール■ そのほか、ミュージカル劇団「劇団コシガヤン」の代表、越ヶ谷地区の民生委員としても活動中。 |
まずは自分の鼓動を感じてみる
日常、自分の脈や鼓動をじっくり感じる機会ってめったにないですよね。
グループワークの最初にはまず、深呼吸とともに、自分の胸や手首、
頸動脈などに触れて、体の中のエネルギーを感じてみます。
自分ではコントロールできないけれど、命が確かに動いているという感覚を確かめると、
不思議と安心感を感じることができます。
慌ただしい日常の中で、「じっと座って何もせずにいる」という時間を持つことは難しいですが、
こうして1分でも「今、この瞬間」だけに集中することで、思考の渦から離れ、脳を休めることができます。
ストレスを感じる原因はどこから来ている?
同じ状況であっても、1つの物事に対する反応は、一人一人違います。
例えば、夫に「ごはん、まだ?」と言われたとき、カチンときて「今やるわよっ!」と怒る人もいるし、
「そう、まだなんだよね~」とフラットに流せる人もいますね。
この反応の違いはどこから来るのでしょう?
実は、私たちの持っている意識の中で、「自分で考えて行う」ために使われている意識は4~6%で、
その他のいろいろな行動や感情、反応は、残り大部分の隠れた意識に左右されています。
その隠れた部分の1つは、今までの経験値の記憶など、少し考えると思い出せるような浅いところにある意識。
そしてもう1つは、小さい時からいつも言われていたり感じていたことなど、
もっと深いところにあって、自分では気が付かない意識。
この後者の「深層の意識」に何があるかによって、同じ事柄に対しての反応も、人それぞれになります。
隠れた思いや感情を見つけて、自分の心を知る
意識の深層にネガティブなものがあっても、それに目を向けず、無理やりフタをして我慢していると、
何かのきっかけで爆発して、「何だか分からないけど腹が立つ」という状況に陥ることがあります。
そのフタが健康的なもの(運動やおしゃべりなど)で、気晴らしになっていれば良いですが、
違法なものになったり、「それがないと生活できない」という依存の状態にならないよう、気を付けなくてはいけませんね。
自分の潜在意識にある「思い」や「感情」に気付くためにはまず、
「どうしてこんな気持ちになってしまうんだろう」というところに目を向ける。
そして怒りや悲しみが出てきた時に、自分の体の中のどこで何を感じていたかを書き出してみる。
これが自分の心のしくみを知るのに、とても役立ちます。
記憶は時間とともに忘れていきますが、その時の感覚は体の中に残り続け、
次に同じような状況に出合った時、また以前の感情だけが、どこからともなく湧き出てくる状態を繰り返します。
ストレスが大きくなると、脳は自動でシャットダウンする
自律神経は、脳が勝手に判断を下す本能で、
「交感神経(闘うか逃げるか)」と「副交感神経(リラックス・回復)」があります。
この2つは、プラスとマイナスのように適度に入れ替わっていますが、
交感神経(プラス)が過度に高まるような、強いストレスを受けた後には、
副交感神経(マイナス)の側へも、大きく振れることがあります。
この大きくマイナスへ振れる副交感神経は、通常の回復のための副交感神経とは違い、
「シャットダウンする副交感神経」となります。
その状態になると、表情が少なくなったり、呼吸が浅くなったり、体が動かなくなったり、
感情・感覚が鈍くなったりなど、様々な活動が遮断されます。
これも本能で備わっているもので、脳が過度のストレスを受け続け「このままでは危ない!」と判断すると、
自分の意志とは無関係に自動的にシャットダウンのスイッチが入り、上記のような、いわゆる「うつ状態」になります。
ストレスを軽くする、いろいろなワークにチャレンジ!
人の体に通っている神経の中で、背中~下半身へ通じている神経は生命活動を司っている神経です。
一方、体の前側(頭~顔~横隔膜)を通る神経は、顔の表情を作ったり、
しゃべる、見る、聞く、笑うなど、コミュニケーションを取るための神経です。
ですから、ちょっと気持ちがふさいだ時などは、
体の前側の筋肉を刺激することで、気分的に楽になることがよくあります。
(ストレス解消のため、友人とおしゃべりをしたり、カラオケで歌いまくる…などが良い例ですね。)
ストレスを軽くするために自分でできる3つのワークに、参加メンバーもチャレンジしてみました。
【1】フェイスワーク
まず、8カウントしながら顔の筋肉をぎゅーーーっと真ん中へ集め、そのまま8カウント。
次は、また8カウントで目も鼻も口も、全部をめいっぱい開いていって、そこでまた8カウント。
これを繰り返します。
顔中の筋肉を使っていくと、気持ちも少しずつ緩んでくる感じがしました。
講座に同席していたお子さんは、ヘン顔をする大人たちに不思議そうな眼差しを…(笑)。
【2】呼吸
深呼吸は、「吐く」のが大事です。
吐けば自然に吸うことができるので、息を吐き切って、たくさん吸うのがポイントです。
ストレスの多い方は、呼吸が浅くなっていることが多いですが、
急に深くするのは難しいので、「いつもより少し深く」をまずは心がけてみてください。
【3】タッピング(EFT)
手や頭、顔などのいくつかのポイントを軽く指で叩きながら(タッピング)、
自分の中にあるネガティブな感情を感じていきます。
メンバーはそれぞれ、今自分が感じている心のストレスを伝えた後、
たえさんの優しい静かな声を聞きながら、タッピングをしていきました。
このタッピングのポイントは、自分の不安や嫌な気持ちにフォーカスすること。
ネガティブな感情は、手離そうとすればするほどそこに固執していきます。
逆にそれを自分の中から取り出し、手に取ってしっかり見つめる。
そして「ここにあるんだ」とその感情の存在を自覚して受け入れることで、
自分のネガティブな感情に巻き込まれることなく、客観的に向き合うことができます。
今回教えて頂いた、「心のしくみと自分でできるストレスケア」の他にも、 「自分と相手との境界線の引き方」や「事実と解釈を分ける」などなど、 なんだかとても魅力的な心理セラピープログラムをお持ちのたえさん。 クワイエメンバーは、その場で「ぜひ続編を!」とお願いしました(^_^;) 春頃にまた、たえさんをお迎えしてセラピーを企画したいと思っていますので、乞うご期待! |
■取材後記■
日常の慌ただしさに、自分の心を見つめることや、心のしくみについて深く考えることはありませんでした。
タエさんの静かな語り口はとても説得力があったので、自分を客観的に見つめ直したいと思いました。
お話の中で「精神の死」という言葉に表される感情について、興味があり印象的でした。
次回の境界線の話、とても興味があり、お聞きしたいです。
ありがとうございました。嬉しい再会に心もほっこりです。【やまぴー】
ストレスとは無縁と思っているのですが、深層意識にあるモノまで掘り下げると、
実は、ストレスを感じているのかも?と新たな発見がありました!
鼓動を感じる場面では、日ごろ、バタバタと生活をしている私には、
たった1分ではありましたが、とてもリラックスした時間でした。
これからも1分、鼓動を感じる時間を作りたいです。【マユ】
たえさんのお人柄に癒された二時間でした。また、豊富な知識をお持ちなので、興味深いお話ばかりでした。
なんでが、納得!になりました。仕組みを知ると、対策もしやすい。
「その時に感じた感情は、そのままになっている」という話は興味深かったです。
教えてくださったストレッチは、寝る前にやってみたいと思います。【were】
昨年たえさんが「越ヶ谷まちゼミ」で開催されていたミニ講座などから興味を持ち、
偶然お会いした際にお声がけをして、実現した企画でした。
心理セラピーは初めてで、目からウロコなお話続きでしたが、
特に「自分のネガティブな感情は、避けていては何も解決しない」、
ということを知ったのが、とても大きな気付きでした。
次回の講座が今から楽しみです♪【fika】
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