「学校へ行きたくない」と言われたら ~越谷市教育センターに聞きました~

「学校へ行きたくない」と言われたら ~越谷市教育センターに聞きました~

2017年2月9日

寒さが緩み、暖かい春が来ると新年度が始まりますね。
新しい環境に踏み出したお子さんは、
わくわくドキドキ、日々たくさんの経験をしていくことでしょう。

でもある日お子さんから、
「学校へ行きたくないな…」
そう言われた時、私たち親はどうしたら良いのでしょうか。
子どものために、どんなことができるのでしょうか。

今回は、増林にある越谷市教育センターで、色々なお話を伺ってきました。

現在、学校へ行けないお子さんの人数とその理由を教えてください。

まず不登校の定義ですが、年間30日以上欠席をしている状態を言います
(長期入院などは除きます。)
不登校の人数は毎月各学校から報告を受けており、平成27年度末は、
小学校(市内30校)・・・34名
中学校(市内15校)・・・180名  合計214名
となっています。
平成19年度の人数が、
小学校・・・38名、中学校・・・322名ですので、
この10年で減少傾向にはあります。

不登校の主な理由としては、
小学生の場合は、友人などとの人間関係
また5、6年生になりますと、学習内容が難しくなってくることによる学習面での不安
思春期に差し掛かり自我が目覚め、対人関係に敏感になってくること、
そういったものが入り混じり、不安感を訴える「情緒混乱型」というものが見受けられます。
中学生の場合も「情緒混乱型」が多いのですが、
そのほかに「無気力型」が挙げられるということが、この年代の大きな特徴です。
中学校は、複数の学区の小学校が集まるために、それまでよりも人間関係が広範囲になり、
校則や制服があるなど、生活面でも違いが増えてきます
特に学習面については、学習内容が増えることから進みが速くなり、
科目数、提出物も増えるうえ、定期テストが月に1回の割合で行われ、
結果が数字として出てくることから、学習に関する悩みが出てきます
部活動やクラスでの人間関係が複雑になってきたり、
進路についての悩みも増えてきたりすることから、
学校へ行く気力がなくなってしまう生徒もいると考えられます

但し、不登校児の人数だけを見ますと、中学生になっていきなり増えていることで、
上記のような、いわゆる「中一ギャップ」が原因と考えがちですが、
その前の小学校高学年の時に既に学習面などでのつまずきがあり、
小学校の間は何とか持ちこたえていたものの、
中学校進学を契機に、不登校に陥ってしまうというケースもあります。
ですから、一概に「中学校へ進学する=急に不登校が現れる」というものでもありません

越谷市では、不登校のお子さんを減らすためにも、
昨年度から「小中一貫教育」を進めています。
原則として、小学校2校と中学校1校の計3校が一つのグループとなり、
先生と生徒を含めて、早くから小中学校で交流することで、
不登校の一因になると思われる、
中学校へ進学した際に感じる驚きや戸惑いを軽減しようという取り組みにもつながります。
例えば、小中で共通の授業規律を確立したり、合同で避難訓練を行ったり、
中学生が、小学校のサッカー大会のための練習のコーチをしに行く、
夏休みの補習をサポートする、
また、先生方もお互いの学校で出前授業を行い、
9年間を見通した授業を進めていくなど、
小学校と中学校のスムーズな連携のために取り組んでいます。

子どもが「学校へ行きたくない」と言ったとき、まず親のすることは?

お子さんから「学校へ行きたくない」と言われると、
どうしても保護者の方は焦ってしまって、
「行きなさい!」「休むなんてダメ!」と言ってしまいがちですが、
まずはゆっくりお子さんから理由を聞くことです。
「学校へ行きたくない」という言葉の裏に何があるのか、
もしかすると、心と体が疲れているというSOSのサインかもしれないと考え、
思っていること、困っていることを、ゆっくり聞いてください。
ただその際、はっきりとした原因を自分で把握しているお子さんは少なく、
本人もモヤモヤしている場合が多いですから、
登校を促しつつも、じっくりと話を聞く、しばらく様子を見るなど、焦らないことが肝要です。

また、本人が原因を言いたがらない場合も、
保護者の方が無理に追及すると、お子さんとの間に溝を作ることもあります。
そういった場合は、お子さんは相談員など第三者との方が話しやすいかもしれませんし、
もし原因を話せなくても、誰かと喋ることで気持ちがすっきりすることもあります。
当センターへご連絡頂ければ、お子さんと面談ができる臨床心理士がおります。
また、学校や担任の先生と連携を取るのはもちろん、
各学校にいる学校相談員、スクールカウンセラーといった中から、
話しやすい相談者を見つけることも、お子さんが心を開くきっかけとなります。

学校へ行けないお子さんのフォローをする場所にはどんなところがありますか?

中学校には「相談室」があり、
「学校相談員」が月曜日から金曜日まで常駐しています。
小学校には、週に1日の割合で「学校相談員」が巡回しています。
また、越谷市教育センターもフォローしていますし、
埼玉県総合教育センターでも相談活動を行っています。

越谷市適応指導教室「おあしす」とは?

 対象児童生徒:
  小学校5年生から中学校3年生まで
 開室日:
  月曜日から金曜日まで(土日・祝日・年末年始はお休み)
  午前9時半から午後3時(火・木・金)/午後1時まで(月・水)
 主な活動内容:
  ・ワークタイム(自主的に学習する時間)
  ・プレイタイム(集団活動を通して、ふれあいを深める)
  ・体験活動(クッキング、校外学習、スポーツ・レクなど)
 場所:
  ・北教室:桜井地区センター内
  ・中教室:教育センター内
  ・南教室:蒲生地区センター内

「おあしす」の名称の由来は、「子どもたちの心のオアシス、いつでも戻ってくることのできる場所」。
「おあしす」は原則として、「学校復帰のための通過点」という位置づけです。
ですから、週に何日かは「おあしす」へ通って、
他の何日かは学校へ通い、学校復帰達成といった形になることが理想ですので、
通室の回数は、お子さんによりまちまちです。
毎日通うお子さんもいれば、週○日と決めて通っているお子さんもいます。
通室にあたっては、小学生は保護者の送迎が必ず条件となりますが、
中学生はお子さんだけで登下校をして構いません。

入室に際しては、まず教育センターで現在の状況等を伺う面談を何度か行い、
相談内容やお子さんの様子を把握させていただきます。
その上で、お子さんご自身も入室を希望し、保護者の方にもご同意いただけるようでしたら、
「おあしす」に関して、詳しく説明や情報提供を行います。
その内容をご理解いただけたうえで、次に見学、体験入室という段取りを踏み、
その後、学校とも連携を取って意見を聞くなどして、
最終的な正式通室の手続きを、当センターと学校と保護者とで行います。

主な活動内容はまず、ワークタイムという、
自分で持ってきた教科書や問題集に取り組む自主学習の時間があります。
学校のような一斉授業や、カリキュラムに沿ったものはありません。
学校と家庭と「おあしす」は、常に連携を取っており
学校側へは、定期的に保護者の方を通じて「おあしす」での様子を伝え、
逆に学校側から現在の授業の進度を教えてもらい、
それに合わせて「おあしす」で自主学習をするということもできます。

ワークタイムが終わった後のプレイタイムは、カードゲームをしたり、
ミニ体育館でバドミントンなどをしたりして、交流を持ちます。
また、調理実習の時間も、毎月設けています。
3教室合同で行うものとしては、総合体育館で行うビーチバレー大会等や、
バスに乗って遠足をする校外行事があります。
子ども同士のコミュニケーション力を高めるために、
プレイタイムでは、交流を持つ場面を意識して多く取るようにしています
そういった中で、対人関係に自信をつけて、
再び学校へ行くことができるようになった子どもも多くいます。

通室している保護者の方とは、
定期的に当センターの指導主事、適応指導教室「おあしす」指導員との面談を行っています。
そのほか全体的な集まりとしては、
進路学習会、修了式、お別れの会などがあります。

学校へ行けないお子さんとの日常生活はどうすればよいでしょうか?

最も気を付けていただきたいのは、生活が昼夜逆転にならないようにすることと、
3度の食事を規則正しくきちんと取るということです。
生活リズムが乱れていると、いざ学校へ復帰をするという時にとても辛くなりますので、
学校へ行っている時と同じようなリズムで生活するのが理想です。
夜更かしなどの原因になるゲームやテレビ、インターネットなどは、
お子さんとルールを決め、できるだけ規則正しい生活が送れるようにすることが大切です。
また、簡単なものでも結構ですので、家庭の中での役割(家事の手伝い、ペットの散歩等)を決め
褒めてあげる機会を増やすと、お子さんも少しずつ自信がついてくるでしょう。
お仕事をされている保護者の方も多いですし、保護者の方ご自身の事情もありますので、
ずっとは一緒にいられない場合もありますね。
そういった場合でも、家にいる間は、お子さんの動向は把握しておきましょう。

お子さんがそれまで続けていた習い事や趣味の集まりなどですが、
中には、学校を休んで出歩くことへの罪悪感があって、
平日や日中は絶対に出歩かないというお子さんもいます。
ただ、登校できなくても、習い事などで外出することが可能なら、
生活のリズムを崩さないためにも外出させる方が好ましいと思います。
但し、家から出ることそのものが非常に億劫になってしまうお子さんもいますので、
その場合は相談のうえ、臨機応変な対応が必要です。

親と子、それぞれが精神的に追い込まれないためには?

どうしても保護者の方は焦って、早急な答えと解決策を求めがちです。
一日休むと「この子はもうこのまま一生不登校かも…」という悲観的な考えになるのは、
ほとんどの保護者の方の正直なお気持ちだと思います。
ですがそこであえて気持ちに余裕を持ち、お子さんのために時間を割くということが、
一見遠回りなように見えて、実は解決への近道だということもあります。
また、お子さんは急に学校へ行きたくなくなったわけではなく、
もしかすると今までずっと頑張りすぎていたり、無理をしていたりしたのかもしれません。
ですから、長い人生の中で、今はちょっとだけ休憩を取って、
次へのステップを養っている期間なのだ
という考え方もできます。
くれぐれも、お子さんのことも、保護者の方ご自身のことも、追い詰めないようにしてください
当センターにお越しいただければ、保護者の方にも指導主事や相談員と話をする機会がありますし、
学校相談員やスクールカウンセラーは、保護者との面談もしています。
保護者の方は、色々なところで話をしたりアドバイスを受け広い視野に立つことで、
孤立をせず、一人で抱え込まないようにしてください。

学校へ行けないお子さんへの、周りの対応はどうした良いですか?

「久しぶりだね!」
「どうして休んでいたの?」
「もう大丈夫なの?」
こんなふうに聞かれることを、
学校を休みがちなお子さんたちは結構怖がっている場合があります。
ですから特別扱いせず、ぜひ「いつも通り」という対応を心がけていただきたいですね。
さも昨日もいたかのように、「おはよう!」と言って接してください。

自分の子どもへ向けて、気を付けられることはありますか?

どんな小さなことでも良いですから、お子さんをほめてあげて、自己肯定感を高めてください
できなかったことより、できることを見て、認めてあげてください。
また、思春期に入ってあまり喋ってくれなくなると、
根掘り葉掘り、心配事をストレートに聞いてみたくなるのですが、
一緒にテレビを見たりお風呂に入ったりなどのリラックスした雰囲気の中で、
関係のない楽しい話題から入って、それとなく聞いていってみるという方法ですと、
お子さんもスムーズに話しやすくなりますね。
また保護者の方も、インターネットにあふれる情報に翻弄されることなく、
ゆったりした気持ちを持って、心配な時ほど、周りの色々な方たちとお話をしてくださいね

今悩んでいる親御さんに、一言お願いします!

お一人で悩まず、多面的に解決をするために、
ぜひたくさんの機関でご相談されることをお勧めします。
当センターでも面談等受け付けていますので、
どうぞ構えずに、お気軽にご連絡くださいね。

 ■越谷市教育センター
 越谷市増林3-4-1
 電話:048-962-9300/048-962-8601
 ◇来所相談:
  月曜日~土曜日(祝日は除く) 午前9時30分~午後4時45分まで(1回45分間)
  ※電話にて、事前に予約をお願いします。「相談の予約をお願いします」と伝えてください。
 ◇電話相談:
  月曜日~土曜日(祝日は除く) 午前9時~午後9時まで(受付終了は午後8時30分)
  ※匿名でも受け付けています。

 

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取材後記
勉強でのつまづきや頑張りすぎて疲れたなど、子どもが抱えている問題を見過ごさないように
気をつけようと思いました。日々のコミュニケーションが大切ですね。
詮索や追及してしまわないように^^; 思春期になっても楽しく会話が出来る関係を保てる
ように努めていきたいです。(ゆきだるま)

我が家の娘もそろそろ思春期に入りかかって、子どもの成長段階で、
親が入り込めない、知ることのできない部分が多くなってきているもどかしさを感じます。
今回の取材では、親の立場から、親の対応やお子さんへのフォローをうかがい、
学校へ行けないお子さんを救ってくれる心強い場所があるのを知りました。
今悩んでいる親御さんは、ぜひ色々な場所で色々な人に相談してみてください。(fika)

(2017年2月 byクワイエメンバー ゆきだるま、fika)

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越谷市教育センター

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