身近な小さい図書館☆地域家庭文庫を知ろう!~「アリス文庫」探訪

身近な小さい図書館☆地域家庭文庫を知ろう!~「アリス文庫」探訪

2015年4月17日

一般の方が、自宅や自治会館などを利用して蔵書を開放している、地域家庭文庫
前回は、花田の「どんぐり文庫」をご紹介しました。

第2弾の今回は、西方で開庫している「アリス文庫」をご紹介します!

そこはまるで、小さな絵本の宝箱!

開庫日にかかるプレート たくさんの本が並んでいます 文庫内の机の上
文庫のスペース 文庫の本棚 本がいっぱいの部屋
「ようこそ!」と優しい笑顔で迎えてくださった、
「アリス文庫」代表の佐々木法美さん。
文庫はご自宅の2階で開庫しています。
部屋の中には、個人のお宅とは思えないほどの数の本がぎっしり並んでいて、
入ると思わず「わあ~っ!」という声が出ます。
吹き抜けのある部屋 貸出カードの載る机
一つ目の部屋を抜けると、隣りには高い吹き抜けのある部屋があります。
(上左の画像は、吹き抜けの上から部屋を覗いた画像です。)
こちらもたくさんの本が並んでおり、ゆっくりと本を手に取ることができます。

「ご自宅」ということを忘れてしまいそうな、
明るくて開放感たっぷりのスペースです。

「おはなし会」を聞いてみよう

毎回、開庫日には「おはなし会」が開かれます。
絵本に囲まれた部屋に、みんなで座ります。
おはなし会のろうそく おはなし会の可愛らしいボード どろんこハリーの読み聞かせ
まず、おはなしの前に「おはなしのろうそく」に火が灯されます。
その明かりが始まりの合図になり、子どもたちもしんとなります。
この日は、低学年向けのおはなしが3つ。

◆どろんこハリー
◆わたし(かがくのとも傑作選)
◆イランの民話「マメ子と魔物」
どのお子さんも、引き込まれるように聞き入っています。

語りをする佐々木さん

「マメ子と魔物」は、佐々木さんの「語り」です。
佐々木さんは何も見ることなく、流れるように生き生きと物語を話していきます。

「語り」は「読み聞かせ」とは違い、目で見えるものが何もないので、
聞き手は耳をすませて想像力を働かせ、
自分の頭の中に物語を描いていくことになります。
子どもたちが一層静まり返り、集中しているのが分かります。

3つのおはなしが終わり、
その月が誕生月の人が願い事をしながら、おはなしのろうそくの火を吹き消します。
これでこの日の「おはなし会」はおしまいになりました。

アリス文庫について詳しく聞きました

代表の佐々木さんに、
文庫や本に関するお話をたくさん伺いました。

文庫の成り立ちと、メンバーさんについて教えてください。

スタッフは、主宰者である私を含め計3名です。
開庫は1986年9月で、今年で丸29年になります。
元々私は岩槻で8年ほど、
団地集会所で母親たちと「つくし(地域)文庫」を、自宅では「おはなし会」を開いており、

こちらへ引っ越して来る際に、自宅も文庫が開けるような造りにしました。

文庫の主な活動について教えてください。

かるたで遊ぶこともあります

アリス文庫では「子どもに本を紹介する活動」をしています。
そのため、子どもが楽しみながら本の世界にスムーズに入れるよう、
おはなし会」と「本の貸出」の2つを軸に、活動を続けています。
開庫日は、毎月第1週と第3週の水曜日、午後3時から午後5時です。
「読書クラブ」は、絵本から字の多い本へと変わる移行期をスムーズにするために、
小学4年生頃からのお子さんを対象に、5時から6時まで開いています。
また、学期ごとに2~3回、
西方小学校で昼休みに「おはなし会」をしています。

利用者の年齢と、蔵書の内容について教えてください。

利用者は、幼児から児童文学に興味をもつ大人の方まで、
幅広くいらっしゃいます。
蔵書の数は、当初私の蔵書約500冊から始まり、
現在は市立図書館の本を含め、約2500冊(2015年3月現在)です。

活動の上で大切にしていること等を教えてください。

ひとりひとりの子どもが、『私の一冊』に出会ってほしいので、
各々「何に興味をもっているか」、「面白がった本は何か」、
会話や個人別貸出カードなどでリサーチを続けています。

子育て中の親御さんへ一言お願いします♪

本は、ことばの力や想像力を培い、生きる力の源です。
一生を通じて、「本をともだちに出来る人」は幸せです。
大人の方も、子どもたちと一緒に本を楽しむ習慣をつけ、
どうか物語絵本を、字を覚えさせるための手段にしたり、
子どもへ無理強いをするようなことはしないでくださいね。

佐々木さんに、読書や本への思いも伺いました

ALICEの木製ボード

◆文庫を始めたきっかけ◆
昔、子どもの頃に聞いた、口演童話の体験が元になっています。
「じゅげむ」を少し子ども向けに変えたおはなしを聞いて、
子ども心に「こんな世界があるのか!」と夢中になりました。
その後、大学時代に社会福祉学部に入ってからは、
児童文化研究会の巡回子ども会を行う活動で、童話部門を担当しました。
その頃は、日本全国にたくさんの文庫が作られていた時期でもあり、
石井桃子さんの「子どもの図書館」(岩波新書)を読み、
「いつか自分もやってみたいな」という思いが芽生えました。

◆「継続は力なり」◆
子どもたちがおはなしを聞く時、
言葉だけで自分の頭の中にそれを思い描くのはとても大変なことです。
その時に手助けになるのは、読書をはじめ、遊びなどの様々な生活経験です。
そういった日々の習慣を通して、語彙が増え、想像力が養われます
ですから、読み聞かせだけではなく、普段の生活を大切にして、
しっかりとした土台を作ることができれば、
言葉の絵を容易にイメージでき、おはなしのもつメッセージを受けとめて、

大きな力を蓄えることができるのだと思います。

◆『昔話』の大切さ◆
子ども文学で大切なのは、簡潔で分かりやすいことです。
昔話は、不特定多数の人たちに長い時間をかけて語り継がれてきたもので、
の人たちの知恵や色々なものが混ざり合い、洗練されてきたものです。
一人の作家の力では及ばない、大変な生命力をもった物語で、
そのパワーが、子どもたちにはとても大切なものになりますね。
昔話をじっくりと聞いて味わい、本の中をたっぷり冒険して戻ってくる――、
そんな体験をしたお子さんは、やはり自然に本へ手が伸びるようになります。
ただ、昔話に入り込めるのは、小学校3年生頃までが多いようです。
なるべく早いうちから、昔話に触れさせてあげてくださいね。

◆子どもが喜ぶ絵本は?◆
一つ目は、魅力的な主人公であること。
自分が一体化できるような人物(動物)であることです。
二つ目は、行動するストーリーであること。
前へ前へと進んでいく分かりやすさで、
魅力的な主人公に乗っかり、物語を楽しむことができることです。
三つ目は、満足のいく結末をもっていること。
最後は「めでたしめでたし」で、安心感・満足感を味わうことができることです。
この3つの点を押さえた絵本は、きっとお子さんが喜ぶことでしょう。

アリス文庫からのおすすめ本をご紹介!

幼児向け絵本
おすすめ本(幼児向け)

・ぐりとぐらのえんそく  ・ぐりとぐらのおきゃくさま  ・だるまちゃんとてんぐちゃん
・おおきなかぶ  ・もりのなか  ・てぶくろ  ・こぐまのくまくん
・ぶたたぬききつねねこ  ・がたんごとんがたんごとん
・おやすみなさいおつきさま  ・ママだいすき
・よかったねねずみさん  ・ねずみのともだちさがし  ・ねずみのいえさがし
・わたしほんがよめるの  ・わたしのワンピース
・ぼくじょうのくまさん  ・パンやのくまさん  ・ゆうびんやのくまさん
・せきたんやのくまさん  ・うえきやのくまさん  ・ちいさなうさこちゃん
・くまのテディちゃん  ・くんくんにこいぬがうまれたよ
・くんくんとかじ  ・こいぬのくんくん

小学校低・中学年向き絵本
おすすめ本(小学校低・中学年向き)

・おだんごぱん  ・くんちゃんのだいりょこう  ・くまのコールテンくん
・ペレのあたらしいふく  ・ピーターラビットのおはなし  ・スーホの白い馬
・マドレーヌといぬ  ・かえるのエルタ  ・ぞうのババール
・ひとまねこざるときいろいぼうし  ・11ぴきのねこ ふくろのなか
・いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう  ・かもさん おとおり
・ロバのシルベスターとまほうの小石  ・ラチとらいおん
・アンガスとあひる  ・わたし  ・それ ほんとう
・よあけ  ・こいぬがうまれるよ

お話の本~世界の昔話
おすすめ本(お話の本・世界の神話)

◆愛蔵版おはなしのろうそくシリーズ
・まめたろう  ・赤鬼エティン  ・ホットケーキ  ・雨のち晴
・ヴァイノと白鳥ひめ  ・だめといわれてひっこむな
・ながすね ふとはら がんりき  ・ついでにペロリ  ・エパミナンダス
◆こぐま社 「子どもに語る」シリーズ
・世界の昔話  ・グリムの昔話  ・日本の昔話(1)~(3)
◆福音館書店

・イギリスとアイルランドの昔話
◆のら書店
・日本のむかしばなし

神話・創作の物語
おすすめ本(神話・創作の物語)

・ジム=ボタン機関車大旅行  ・木馬のぼうけん旅行
・年とったばあやのお話かご  ・ムギと王さま
・ギルガメシュ王ものがたり  ・ギルガメシュ王のたたかい  ・ギルガメシュ王さいごの旅
・宮沢賢治 雪わたり  ・風の又三郎  ・銀河鉄道の夜  ・注文の多い料理店
◆こぐま社
・アンデルセンのお話(1)(2)  ・アラビアンナイト  ・日本の神話
◆のら書店
ギリシア神話

 

アリス文庫
代表:佐々木法美(のりみ)
所在地:越谷市西方(個人宅のため、なるべく徒歩でお越しください)
※詳しいことにつきましては、市立図書館(048-965-2655)へお問い合わせください。

◆文庫の日 第1・第3水曜日(午後3時~5時)
 ・幼児クラブ 午後3時~4時半
 ・通常会員 午後3時~5時
 ・読書クラブ 午後5時~6時 ※4年生以上、会員のみ

◆おはなし会(ストーリーテリング、絵本のよみきかせ)
 ・小さい子(午後4時~4時半) ※3歳前後~小学校低学年
 ・大きい子(午後4時半~5時)
◆本の貸出 一人5冊まで、次回返却
◆入会は随時受付 ※初回のみカード代300円
◆3月と12月は「お楽しみおはなし会」
◆春休み・夏休み・冬休み中、文庫はお休みです。

 

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■取材後記■

はずかしながら、アリス文庫さんの取材をするまで「地域家庭文庫」の存在を知りませんでした…(滝涙)
子どもたちのために、こんな素敵な隠れ家があったなんて!
佐々木さんをはじめ、スタッフの方々に支えられたアリス文庫さんは
文字通り「本に囲まれる」感じで、ここで本の世界に没頭できたら、
さぞ楽しいだろうなぁ、気に入った本に出会えたら嬉しいだろうなぁ、と
遊びに来ていた子どもたちがちょっぴり羨ましい、そんな素敵なところでした。(れいなママ)

どんぐり文庫に続き取材をさせて頂きましたが、
それぞれの文庫で特色があり、特に今回は個人のお宅ということで、
入るまではドキドキ→入ったらワクワク!な文庫でした。
3年生の娘も、「普通のおうちなのに、本がいっぱい!」と興味津々。
佐々木さんやスタッフの方たちは、児童書への造詣が深く、
子どもたちと本との出会いをとても大切にされており、
それが居心地のよい文庫の雰囲気を作っているのだなと思いました。(fika)

(2015年4月 byクワイエメンバー れいなママ/fika)

 

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