わくわく絵本教室〜幼児をもつ親のための講座〜☆その3
2014年10月22日
あいのみ文庫主催による『わくわく絵本教室』
いよいよ第3回目、読み聞かせの黄金期についてです。
あいのみ文庫についての詳細、及び、第1回目、第2回目の様子は
「幼児をもつ親のための講座〜わくわく絵本教室☆その1」
「幼児をもつ親のための講座〜わくわく絵本教室☆その2」をお読みください。
まずは、いつものように保護者の方へ贈る1冊
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☆まどみちお*作 →ページ毎に色々な野菜を紹介。使われている言葉が美しく、優しさにあふれている。 |
読み聞かせの黄金期
今日は、いよいよ一般的に「絵本」と言われたら思い浮かべるような
ストーリー制のある絵本についてです。
時間の許すかぎり、次々と絵本を紹介されました。
代表の塩谷さん
いつも穏やかに、上品な言葉でにこやかに話され、お話しを伺うだけで癒されます。
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☆ジーン・ジオン*作 →「白い身体に黒いぶちのある」小犬ハリーが、あちこち遊び回るうちに「黒い身体に白いぶちのある」小犬になってしまい、ハリーだと気づいてもらえず・・・ |
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☆中川李枝子*作 →1963年出版の定番絵本。時代を超えてなお、古くささを感じない。中川さんが保育士としての経験を基に、ごっご遊びの延長のお話しを作った。この2人のコンビでの作品は数多いが、大村さんの独特のタッチの絵が、他の絵本にも出て来て面白い。 |
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☆渡辺茂男*作 →ジープを改良したちっぽけな消防車「じぷた」はいつも、はしご車、ポンプ車などの花形スターの人気をうらやましく思っているが、ある日、「じぷた」にも活躍のチャンスが来て・・・ |
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☆バージニア・リー・バートン*作/絵 →「花子とアン」の村岡花子さん訳の絵本。 |
日本の昔話
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☆松井直*作 →絵に迫力がある。 |
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☆代田昇*作 →上の絵本がもともとの装丁。下の絵本が、海外向けに出版される際に差し替えられた表紙。 昔話の定番「ももたろう」は、色々な版があるが、赤羽末吉の版と箕田源二郎の版の2つを紹介。 |
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どちらも ☆松井直*再話 →巻物や屏風などをイメージして、横長の美しい絵本を作った。 |
世界の昔話
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☆北欧民話 →絵だけで充分迫力があり、怖いので、それ以上、声色(こわいろ)を使って読む必要はない。 |
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☆イギリス昔話 →このような良く知られた昔話には、色々なバージョンがあるが、残酷な結末を大人の都合で改編していないものをお薦めする。例えば、最初の2匹のこぶたはオオカミに食べられてしまうが、それは自然の摂理として、子どもは受け入れることが出来る。そして3匹めのこぶたが知恵を使って、逆にオオカミを食べてしまうことで、子どもは「ああ、良かった。」と心から安心することが出来る。 |
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☆ロシアの昔話 →言葉にリズムがありスラスラ読まないと面白くないので、読み聞かせるときは、練習してから読むと良い。最後にパンが食べられてしまって、残念な気持ちもするが、「パンは食べるもの」なので、子どもは納得できる。 |
言葉遊びの本
何もなくても遊べる。言葉を頭の中で想像し、色々考えることが大切。
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☆馬場のぼる*作 →おなじみ「しりとり遊び」の絵本。 |
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☆中川李枝子*作 →1のまき〜3のまき。 |
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☆いまきみち*作/絵 →はるのまき〜ふゆのまき。 |
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☆市村久子*作 →面白いストーリー。幼稚園でとても人気の絵本。 |
知識を増やすような絵本
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☆長谷川摂子*作 →知識を増やしていくような絵本も、だんだんと取り入れるようにしていくと良い。 |
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☆皆越ようせい*文/写真 →ダンゴムシの写真がいっぱい。大人は苦手に思うかもしれないが、子どもは大丈夫。 |
季節の本
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☆パット・ハッチンス*作 →とても美しい絵本。 |
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☆ディック・ブルーナ*作/絵 →宗教的な内容を、うさこちゃんシリーズで分かりやすく書かれている。 |
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☆中村牧江、林健造*作 →まるで写真のような絵。ふしぎなナイフが、曲がる・ねじれる・折れる・割れる・とける・切れる・ほどける・ちぎれる・ちらばる・のびる・ちぢむ・ふくらむ・・・ |
まとめ
絵本の中には、大きく分けると次のようなものがある。
- ストーリー制のある物語。昔話など。
- 言葉遊びのもの。
- 知識を増やす科学の本(写真など)
良い絵本の条件
- 言葉と絵が美しいこと。
- 子ども向けだからと手を抜いたり、子どもに迎合したりせず、
細部までこだわって作っていること。 - 色々な事件や冒険があっても、最後は安心をすることが出来ること。
(=勧善懲悪、ハッピーエンド)
絵本が果たす大切な役割
- 豊かな言葉、美しい言葉を味わう。
- 美しい挿絵を楽しむ。
- 知識を得る。お勉強としての知識ではなく、好奇心を満たすということ。
- 自立をするための基本的な生活習慣を学ぶ。
- 心の解放。(母と一緒に楽しむ時間である。)
- 子育てのヒントを得る。(子どもの成長とともに、親も成長する。)
一番大切なことは
まず、感動する、不思議に思う、感じる心を持つ、ということ。
知識を得るのはその次で良い。
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編集後記
絵本が与えてくれる、素敵な時間を楽しみ、
子どもと共に、私も心を豊かにしていきたいと改めて思いました。
(2014年10月 byクワイエメンバー アリス)