【第2回】子どものインターネット活用で親が知っておくべきこと!!

【第2回】子どものインターネット活用で親が知っておくべきこと!!

2013年12月3日

大人であってもインターネット活用で潜む危険を知らずに使っています。
ましてや子どもであれば、楽しさに魅せられて無防備なのです。
そんな子どもが携帯電話(スマートフォン)などでインターネット活用する際の親の心構えについて
現在、越谷市教育センター所長に就いていらっしゃる大西久雄さんにたくさんお話を伺ってきました。
第2回の内容は、『小学校や中学校では、どのようにインターネットについて学ぶのか・・・』

関連記事
第1回『子どもに携帯電話(スマートフォン)を持たせる時に気を付けることは・・・』

大西久雄さんの経歴

大西久雄さん経歴元越谷市立大袋中学校長
現在、越谷市教育センター所長
大袋中学校在職中、iPadなどを利用したICT※1教育に力を入れ、
SNS※2を提供している企業などと連携して、
中学生にインターネットを活用しながら、
その利点や危険性を体感させる取り組みが話題を呼び、
新聞,テレビなどで取り上げられる。
今も教育現場でのICT活用に向けて積極的に活動中。

※1 Information and Communication Technology(情報通信技術)の略
※2 ソーシャル・ネットワーキング・サービス

『小学校や中学校では、どのようにインターネットについて学ぶのか・・・』

小学校や中学校では、どのようにインターネットについて学んでいますか?

小学校では小学5年生の社会科で、中学校では技術・家庭科での技術分野で学習します。

小学5年生の社会科での学習については、
越谷市では東京書籍の教科書を使用して
「情報化した社会とわたしたちの生活」という単元での学習です。
一つの単元での学習のため、じっくり時間を割くことができず、触り程度だけです。
このほか、小学3年生から『総合的な学習の時間』があり、
その授業時間でコンピューターを利用して検索したりしていますが、
ここでは、コンピューターの使い方に関することは教えますが、
インターネット活用における危険性やリスクまでは教えていません。

中学校の技術・家庭科(技術分野)での学習については、
平成24年度から開始された新学習指導要領において
「D.情報に関する技術」という項目があり、
インターネット活用のリスクなども組み込まれています。

しかし、小・中学校でのインターネット活用における危険性やリスクに関する学習は、
授業時間も少ないですし、十分ではありません。
文部科学省も危機感を感じ、前述したように今年7月、情報教育課を立ち上げました。
・インターネット活用での被害について
・インターネット活用での加害について
・インターネット依存について
・スマートフォンやSNSの使い方について・・・
こういった教材を作ろう!ということで有識者で構成する調査研究委員会を開催しています。クワイエファミリー(全員)

ただ、教材を作っても学校でどのくらいその教材を活用できるのか?
DOCOMO、Softbankなどの携帯各社でも
携帯電話やスマートフォンの正しい使い方に関する教材や資料等を出しています。
でも、実際に活用できる教材としては、先生たちが教えやすくて使いやすい、
子ども達が自分で考えて行動できるようなモノが求められています。
例えば、Twitterを使用して、このツイート(投稿書き込み)が発信されることによって
どれだけの影響力があり、どういう風に伝わるのかという想像力・・・
そういったことを考えられるような教材が必要だと思います。

子ども達のソーシャル・ネットワーキング・サービスの利用実態はどんな状況でしょうか?

大西久雄さん

ある学習塾で高校生を対象にアンケート調査をしました。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用している割合は84%。
そのSNSを利用している中で『LINE』利用の割合は70%という結果です。

越谷市では、ホームページやSNS,画像や動画などのネットパトロールを
専門の会社(株式会社ガイアックス)に委託して、監視しています。
そういう各種サイト上で市内の中学生が発信したものをチェックし、
状況に応じて情報の削除を依頼しています。
しかし、『LINE』はメールという扱いのため、全くチェックに引っ掛かりません。
電子メールは、内容を個人的にやり取りしているため、他人は見ることができません。
『LINE』はその原理を利用しているため、
ネットパトロールを実施しても発信した内容を確認できないのです。

実際、中高生の間で「LINEはずし」という仲間外れが日常的に起きていています。
LINEで作成できるグループに加わっているメンバーを
グループ管理者ではなくても外すことができるため、
誰に外されるのか? いつ外されるのか? そういったことに
いつもビクビク不安を感じながら利用していることが問題となっています。

そして、子ども達は「LINEはずし」に遭わないために、メッセージが届いたらすぐに返事をする・・・
すぐ返事するために、いつも携帯電話やスマートフォンをいじっている・・・
いつもいじっているので携帯電話やスマートフォンがない生活ができなくなる・・・
ネット依存に陥る・・・ という悪循環を生んでいます。カモさん
そこが今一番、文部科学省も頭を悩ませている部分です。

―――時々、携帯電話やスマートフォンから離れる時間を作る!
  親が携帯電話やスマートフォンの使用を管理する!
  そういうルールがとても重要になってきますね。

『大袋中学校での取り組みについて・・・』

大袋中学校での取り組みのきっかけは何でしょうか?

元々、デジタル機器には興味があり、教育現場でiPadを使いたいと思っていました。
大袋中学校の前に赴任していた松伏町立松伏第二中学校では、
iPodは音楽が聞けるし、ビデオや写真を観ることもできるので、
授業に使えるのではないかと考えていました。
そこで、iPodを無償提供して貰えないかと思い、Apple社へ交渉しました。
授業見学会を実施し、共感を得て、1クラス分の42台をレンタルすることができました。
そして、授業に有効であるということで、教材作りにも発展しました。

しかし、その直後、大袋中学校へ転任となりました。
その時期にiPadが発売となり、大袋中学校ではiPad を利用した授業をしたいと考え、
文教大学に相談をし、iPadを20台借りることができました。

大袋中学校で積極的にiPadを利用した授業を実施し、
マスコミ各社に関心を持っていただきました。
そこからICT関係をはじめとした企業との連携に繋がっていきました。
生徒たちに負の要素も体感させたかったので、ただ講演するのではなく、
学校側と一緒に継続して啓発活動をしてもらえるよう、それらの会社に協力を依頼しました。エミューさん

例えば、生徒総会ではDeNAによって生徒会が提案した携帯電話の使い方に
アドバイスをいただいたり、
朝会では校長の挨拶で一緒にGREEが登壇したり、
PTAバザーではDeNA、GREEが生徒たちへの啓発活動をしたり
保護者会の講演では、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の
DeNA(モバゲー)、GREE(グリー)、mixi(ミクシィ)、Ameba(アメブロ)、
ザッパラス(前略プロフ)の5社が来校したり、
とにかく、SNS企業が大袋中学校を訪れるようになりました。

―――    『変なインターネットの使い方をすると先生達にも分かってしまう!』と
  生徒達にSNS各社と学校が繋がっていることを知らせる一方で、
  『正しい使い方をしていれば何も問題がないよ!』ということを体感させたかったのです。 

大西久雄さん

実際にiPadを利用して、どのような授業をされたのですか?

発信のルールを身に付けるために、Facebookを利用して「大人と繋がろう!」という授業をしました。
芸能人や政治家など92人の各職業人にキャリア教育の分野で主に協力いただきました。
生徒の生き方や職業に関する質問に、92人の職業人が答えていただくのですが、
その際、大人に発信する時に気をつけることは何かも併せて学ぶことができました。
質問を発信するときは必ず教師のチェックを受けてから発信していました。
社会科でインドについて学習をする際には、
Facebookで繋がりのあるインド赴任中の商社マンから
現地の生きた情報を得ることもできました。

今日はインターネットのルールを学習しましょうと言って学ぶのではなく、
授業で使いながら正しい使い方を身に付けていく。
そうすれば、負の要素についても理解していくことができると思いました。
そして、生徒達がケータイ・ネットに関して困ったことがあると、
すぐに教師に相談できる環境になりました。
SNS会社とも繋がりがあるので、生徒達に問題が発生しても教師がすぐに対応でき、
情報共有が可能となりました。

積極的にSNSと繋がることに対して、保護者からの反応はどうでしたか?

最初はネガティブな反応があるかと思ったのですが、
3年間取り組みましたが、保護者からの苦情は一件もなく、協力的でした。

SNS企業などを学校に招聘するときには、PTAにも協力を仰ぎます。

学校、家庭、地域(学校の外は皆地域の発想でいます)の連携を意識してのことです。
最近ではPTAもそのような活動に慣れてきて、Twitter発信などもしてくれています。
学校と保護者が一体となって取り組む姿勢が大事だと思っています。

第3回は『保護者が学ぶためのお薦め書籍、専門家、サイト、講座について・・・』
近日公開予定ですので、お楽しみに~!!

(2013年11月 by クワイエメンバー ヒヨコ,ゆきだるま,マユ)